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各調味料の塩分量・濃度まとめ

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まえがき

前回までの記事で、味覚と、各味覚に対する味見の仕方や、その対応方法に関して記事を書きました。

応用できる調味料の考え方・使い方 - kotaro7247’s blog

応用できる味見の考え方 - kotaro7247’s blog

応用できる味見の考え方② - kotaro7247’s blog

 

特に塩味に関しては、人間にとって「おいしい」と感じる範囲が狭く、この範囲内に塩分濃度を調整することが、美味しい料理を作るうえで重要であることを記載しました。

今回の記事では、『塩を含む調味料の塩分量を見える化』することで、より科学的・客観的・定量的に『塩分濃度』を把握し、料理をより簡単にアプローチする手助けができればと考えています。

この整理・情報・まとめは、「あったらべんりなのに」と私が感じていたもので、探してもなかなか良くまとまった資料がなかったために作ってみました。

特に、圧力鍋や無水鍋、自動調理器具(ヘルシオ・ホットクックなど)を使っている方で、できあがるまで蓋を開けて味見をすることが少ない方には、とても使いやすいと思います。

ぜひブックマークして活用していただけたら幸いです(もし何か気付いたことなんかがあれば、ぜひコメント・アドバイス頂きたくお願いします)。

 

塩分量・塩分濃度一覧表

f:id:kotaro7247:20201204005640p:plain

 

 

一覧表の使い方

結論から言うと、「料理の塩分濃度は、0.6~0.7%にすること」を考えて料理をしましょう。

別の言い方をすると、「料理の総重量に対して、塩分濃度が0.6~0.7%であれば、人間は『美味しい』と感じます」。

尚、便宜上ここから先は「0.6%の塩分濃度を目指す」ことを前に記載させていただきます。私自身、0.6% を念頭にいつも料理をしているのですが、理由は、実際に料理をするときには、調味料を必要な分量より多く入れてしまいがちですし、「ちょっと塩分足りないな」と感じたときに塩分を後から足してあげるのは簡単なのですが、減らすのは難しいからです。

 

さて、0.6% の塩分量とは、具体的には 総重量 1,000g (1kg ≒ 水 1 little) の料理の場合、6g の塩分を加えるということになります。つまり、一覧表をみながら調味料を加えていき、ちょうど塩分量が 6g になるようにすれば、自動的に美味しい味付けになるのです。

 

例えば、大根のお味噌汁を作るときを想定しましょう。

まず、キッチンスケールに鍋を乗せ、メモリを 0g に合わせます。

ここに、大根 100g を入れ、水を 400ml(400g)入れると、総重量は 500g になります。

無水鍋や圧力鍋(ヘルシオ・ホットクック)のような、中の水分を逃がさないお鍋の場合には、単純に以下のように計算します。

500g x 0.6% = 3g

よって、約3g分の塩分量を入れればいいのです。

意外に、3gなんてあっという間です。顆粒だしを大さじ1入れてしまうと、塩分量 は 3g になってしまいます。

実際には、顆粒だし小さじ 1(1g)、味噌大さじ1(塩分量 2g)、これで約 3 g になります。

これを、上記表を見ながら行うのです。簡単でしょ?

 

水の蒸発分を考える(高等テク)

もう一歩だけ、進んでみましょう。

実際には、お鍋で茹でる際に水が蒸発します(※以下は読み飛ばしてもらって、結論だけ覚えていてもらってもかまいません)。

 

まず、家庭用のコンロの火力を、約家庭用コンロの火力を約4,000Kcal/hとします。

コンロの火力(エネルギー)のだいたい 30~50% が鍋に伝わるとすると、

4,000Kcal/h x 30~50% = 1,200~2,000kcal/h

 

一時間当たりのエネルギー量なので、10分だと6で割って、

1,200~2,000kcal/h ÷ 6 = 200~333 kcal/10min.

 

水の気化熱は、532cal/g ≒ 0.5kcal ですから、0.5kcal 当たり 1g 蒸発すると考えると、

200~333 kcal/10min. ÷ 0.5kcal = 400g-666g

 

つまり、鍋でグツグツ強火で煮込むと 400~600g / 10 min. の水が蒸発することになります。

実際には、ずっと強火では煮ないとおもうので、300~400g / 10 min. 程多めに水を入れておけばだいじょうぶでしょうか。

これを知っておくだけで、料理の仕上がりがぐっと良くなります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

覚えておかないいけないことは、以下の2点です。

  • 料理をする際は、0.6% の塩分濃度を目指し、必要な塩分量を総重量から計算する。
  • 鍋で煮込む場合には、水が蒸発することを考慮して、400g / 10 min. 前後の水を多めに入れておく(実際には火加減によってこれより少ない量でいいかもしれません)

 

これをマスターすると、失敗も少なく料理ができると思いますので、ぜひ試してみてください。

 

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応用できる味見の考え方②

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まえがき

 前回記事(『応用できる味見の考え方 - kotaro7247’s blog』)の続きとして、今回の記事では『苦味』・『酸味』・『甘味』について書きたいと思います。

 ※ 前回記事もぜひ併せて読んでいただけると幸いです。

 

『苦味』を考える

味見をしたときの『苦味』というのは、とても対処が難しい問題だと思います。

まずはじめに、苦味は毒があるかないかの存在を判断するための味覚とされています。つまり、苦味のある食べると「危険だ」と知らせるのです。この感覚は子どもの頃の方が強い(苦いと感じる細胞の数が多い)らしく、大人になると苦い食べ物も食べられるようになります。コーヒーやビール、ピーマンやゴーヤを大人が食べれるようになるのは、このためです。

このように、苦味は基本的には毒物を感じさせるため、調味料として苦味を加えるようなものはほとんどありません。料理の最後の段階で、味見をしたとき「苦味が少なくて困った」という経験をした人はいないと思います。逆に、味見をして苦味やエグミが残っていた場合の対処法に困るのではないでしょうか。

苦味は前回の記事で書いた旨味(ダシ)のときと同じで、食材を調理する最初の段階、特に下ごしらえの際に対処する必要があります。よって、料理の最後の段階では、なかなか挽回するのが難しい味覚です。

唯一考えられる方法としては、甘味を足すという方法があります。これは、コーヒーやココアなど、苦い食べ物や飲み物が、砂糖との相性が良いことから考えての対策です。しかし実際には、残ってしまった苦味に対して、単純に砂糖を入れれば解決する問題でないことも多いので、「苦味だけに苦肉の策」でしかありません。

 

『酸味』を考える

『酸味』も『苦味』に似た味覚と言えます。

具体的には、酸味は食べものが腐ったときに感じる味覚です。つまり、苦味と同じように「食べてはいけない」と判断するために感じる味覚です。よって、人によって差はありますが、入れすぎてしまうと食べられないものになってしまいます。

実を言うと、私自身も酸味はかなり苦手な味覚で、中学生のころ、大のお酢嫌いであることが友人にバレていた私は、何かのゲームで負ける度に、罰ゲームとして黒酢を飲まされ、それこそ酸っぱい経験をした記憶があります。

酸味を利かせた料理としては、酢の物、酢豚、酸辣湯、甘酢や黒酢のあんかけ系料理、冷やし中華や鳥料理の和え物、ドレッシングなどがあげられます。どの料理も、酸味どくとくの「腐敗」を感じさせる酸味の量より少ない範囲で料理を仕上げる必要がありこの基準が人によって異なるため、一緒に住む家族の方がどの程度までの酸味であれば美味しいと感じるのかを把握しておくと喜ばれると思います。

特に、男性の方が酸味に対して苦手な方が多いらしいので、気を付けてください。

ただし、酸味に関しては弱めることができます。酸味を感じさせる成分は基本的に、揮発性であるため、火を通す、または温めることで酸味が弱まります。もし酸っぱくしすぎてしまった場合には、火にかけるか、電子レンジで温めるなどしてみてください。酸味が弱まると思います。

逆に、料理の途中で酢を入れても最後に酸っぱさが弱まってしまうため、もし酸味を残したければ料理の最後に加えることをお勧めします。

 

『甘味』を考える

意外かもしれませんが、「『甘味』がもっとも味見において難しく、かつあまり考えなくてもよい味覚だ」と個人的には考えています。

そもそも甘味とは、サトウキビなどから精製された『砂糖』や、果物に含まれる『果糖』、そしてご飯やパンなどの主食など、様々な食材にふくまれる『ブドウ糖』に対して感じる味覚です。

※これら3つ(砂糖、果糖、ブドウ糖)に加えて、最近は人口甘味料なるものが出てきていますが、ここでは割愛します。

科学的には、果糖とブドウ糖がくっついたものが砂糖となります。甘さの順に関しても、一番甘い果糖と、一番甘くないブドウ糖を足すので、砂糖が中間の甘さになります。

果糖 + ブドウ糖 = 砂糖

果糖 > 砂糖 > ブドウ糖

これら糖類の役割は、エネルギー源です。つまり、「あればあるほど体は嬉しいと感じる」ようにできています。

前回の記事で塩味について取り上げました通り、塩分はとりすぎると体内の水分・ミネラルのバランスが取れなくなるため、大量に摂取できないような機能が備わっていますが(前回記事参照)、糖分はエネルギー源なので、食べ過ぎを防止するような機能は備わっていません。つまり、いくらでも食べれてしまうのです

加えて糖分には、中毒性があることがわかっているそうです。簡単なメカニズムは以下の通りです。

① 糖類を摂取すると、血糖値(血液中の糖分量)が上昇します。

② 血糖値の急上昇を押さえるため、インスリンという物質が分泌され、血糖値が低下、低血糖状態に移行します。

③ 低血糖状態だと、脳が糖分が必要と判断し、「糖類を摂取しろ」と命令を出します。

④ 脳の命令に基づき、糖類を摂取し、①に戻ります。

上記①から④をぐるぐると繰り返すこととなり、中毒から抜けられなくなるそうです。

これは、炭酸飲料にたくさんの糖分が含まれていることにも繋がっていると私は考えています。個人的な考えなので必ずしもそうだとは限りませんが、炭酸飲料を飲めば飲むほど、また炭酸飲料が飲みたくなる原因のひとつに、この糖分の中毒性があるのではないか? と考えます。

 

さて、では料理においてどのような考え方でこの糖分を取り扱えばよいのでしょうか。

まず、糖分はエネルギー源であり、基本的には加えれば加えるほど「美味しい」と感じるように人間の体はできています。エネルギー源ですので、たくさんとった方が良いと考えるように体ができているわけです。さらに塩とは違い、際限なく加えることができます。

※ 特に和食は、意外にも糖分が多い料理だと感じています。煮物やテリヤキソースには、たくさんの糖分(砂糖)が使われています。外で食べる料理は特に多く含まれていると、感じます。

料理をする過程で、すでにある程度の糖分を加えているのであれば、味見をしたときに多少物足りなさを感じたとしても、砂糖やみりんなどの糖類を加えることはおすすめできません。まずは塩分を疑った方がいいと思います。

前回記事で塩分について記載した通り、塩分は「美味しい」と感じる範囲が狭いので、その範囲にまず塩分濃度を近づけてあげることが大切だからです。

そのうえで、それでも甘さが足りない場合には、甘味を足すようにしましょう。

また私は、できる限り砂糖やみりんを使わずに美味しく作る方法の例として、以下の3点が重要だと考えています。

  1. 塩分濃度を適正な範囲に収めること
  2. ダシをしっかりとること
  3. 食材にもともと含まれるブドウ糖が、しっかり甘く仕上がるように調理してあげること

砂糖に代表される甘味は、もっとも適当に加えても問題ない調味料でもあり、「砂糖を取りすぎず美味しいものを作る」という観点からとても奥の深い味覚だと考えています。

 

まとめ

2回に分けて、『味覚』、そして『味見(あじみ)』の際の考え方について記載してみました。ぜひ色々と考え方を整理して、家族の方々の苦手・好みまで含めた料理を考え、そして最後のひと手間である味の調整を調理の最後にしていただけましたらと幸いです。

 

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応用できる味見の考え方①

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まえがき・背景

前回は『応用できる調味料の考え方・使い方』について記事を書きました。今回は、前回に続いて、『応用のできる味見(あじみ)の考え方』について書いてみようと思います。

前回記事もぜひ併せて読んでいただけると幸いです。

 

レシピを見ながら作っても、うまく作れなかった経験、味付けが自分の好みにならなかった経験は、誰にでもあると思います。特に、インターネットでレシピを検索する時代です。レシピの書き手がどの程度料理の上手な方かもわからないまま、レシピを調べ、なんとなく作りやすそうで、おいしそうなレシピを選んで作っている中、自分にあった味付けを見つけるのも一苦労です。

特に、最近流行っている圧力鍋や、電気圧力鍋、電気自動調理器の類を使ったことのある方なら、作り終わるまで味見ができないため、最後に味見したとき、「なんか物足りないなぁ」、あるいは「なんかしょっぱいなぁ」と感じた方も多いと思います。

前回の記事では、5つの味覚(①甘味、②塩味、③酸味、④苦味、⑤旨味)に対応させる形で、調味料を分類してみましたが、今回はこの5つの味覚ごとの特性も踏まえて、どうやって味見をするのか、そして味見をしたうえでどうやって味を調えていくのかについて、料理の初心者でもわかりやすく言語化し、考え方を整理してみたいと思います。

 

味見で考えるべき優先順位

人間の味覚は①塩味、②甘味、③酸味、④苦味、⑤旨味、と書きましたが、味見のとき、どの味覚に注目して味見をしていますでしょうか?

私のおすすめは、以下の順です。

  1.  塩味
  2.  旨味
  3.  酸味
  4.  甘味
  5.  苦味

順番に理由を説明したいと思います。

 

『塩味』を考える

まず塩味です。塩というのは「塩化ナトリウム(NaCl)」と呼ばれるものが主成分で、細胞内外のミネラルや水分のバランスを保つために必要不可欠な元素です。少なすぎても多すぎても、ミネラルと水分のバランスが保てなくなってしまいます。塩辛いものを食べたあと、水を飲みたくなるのはこの調整を行おうとする働きです。逆に、薄味のものを食べると、しょっぱさが足りず味気ないと感じるのも、これが理由です。つまり、人間にとって「ちょうどよい」「美味しい」と感じる幅がもっとも狭いのが、塩味なのです

なので、味見をするときはまず、塩味がこの幅の中にあるかどうかを考えます。「味気ないなぁ」と感じる際、いろいろな種類の調味料を足してしまいがちですが、実際には塩を少し足してあげると、味が引き締まって美味しく感じることが多いのも、おいしいと感じる塩加減の幅まで、塩分が足されたことが理由です。

逆に、一度入れてしまった塩分を取り除くのは至難の業です。水などを足してあげることもできますが、他の味覚(旨味や酸味など)のバランスが崩れやすいため、なかなか調整が難しいです。よって、塩分は最初少なめに、そして少しずつ足してあげるのがおすすめです。

 

『旨味』を考える

塩味が決まったら、次は旨味です。旨味には、ダシが最も重要となります。念のため旨味成分(ダシの成分)を科学的に捉えると、グルタミン酸イノシン酸グアニル酸などの成分がいわゆる旨味の成分として挙げられます。グルタミン酸たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中の一つで、イノシン酸グアニル酸核酸に分類されるそうです。

ダシの詳しいことについては、いつか別の記事で触れるとして、今回は「味見をする際に、旨味をどう考えるか」について記載しようと思います。

味見をしたとき、「なんだかコクが足りないんだよなぁ」と感じたときで、塩味が原因である場合も多いのですが、旨味が足りていない可能性を疑う必要があります。

私が小学生(たぶん高学年)だったころの、夏休みのある日、母が家を留守にしていたため家で一人留守番をしていたことがありました。その時お腹がすいた私は、見よう見まねで一人でうどんを作ってみることにしたのです。うどんを茹でて、前に母と一緒に作った記憶から、醤油、みりん、砂糖をいれたのですが、ぜんぜん美味しくできず、どんどんこの3つの調味料を足していきました。しかし、いくら足しても前に母と一緒に作ったあの美味しいうどんの味にならないのです。仕方なくその日は作ってみた不味いうどんを食べたのですが、母が帰宅後この話しをすると大笑いされ、「『ダシの素』をいれないからだよ」と言われたことをすごくよく覚えています。試しにと、母が同じく醤油、砂糖、みりん、そしてダシの素という魔法の粉で、スープをさっと作ってくれて、そのスープを飲んだ私は「なんてすごい粉なんだ!」とびっくりした記憶があります。

なので、料理の最後に「なんかコクがないなぁ」と思ったときは、ダシの素、あるいは液体の白だしなどを入れると、味が整います。なんで私がダシの素や白だしをお勧めするかというと、ダシというのは昆布や鰹節などから、料理のはじめの方で取ることが多く、味見を実際にする料理の最後の段階で、旨味のみを加えるのは大変難しいからです。

ただ、ここで気を付けなければいけないことがあります。一般的なだしの素には塩分が約40%含まれています。つまり、1g のダシの素を加えると、0.4g 分の塩分も一緒に加えてしまうのです。また、白だしに関しても(製品によりますが)約15%の塩分が含まれています。そしてこの15%という塩分濃度は、なんと醤油の塩分濃度とほぼ同じなのです。

よく、ダシの素や液体の白だしを、「塩分を取りすぎる」という理由で悪者みたいに言う方も多いのですが、私はちゃんと理解して使えば問題ないと考えています。塩味のところでも書きましたが、塩分を加えてあげることで味が引き締まるのは事実ですし、一緒に旨味も補えるダシの素や白だしは万能です。ただ、入れすぎるとクドイ味になり、素材の味が一切しない、味の素・白だしの味だけのするツマラナイ料理になってしまいますので、入れすぎは禁物です。これらの簡易ダシには塩分が多く含まれていることを理解して、適切な量を使いましょう。

 

次回に続く

文字数も多くなってきてしまったため、次の記事で、酸味、甘味、苦味について触れたいと思います。

 

つづく

 

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まえがき・背景

レシピを見ながら作りはじめて、「あれ、●●●●●(食材や調味料)がない!」となることがたまにある(みなさんも、ありますよね?)。買い忘れていたり、うっかり切らしてしまっていたり、レシピに書かれているとは知らずに作りはじめてしまったり。

料理を始めたばかりのころは、なかなか応用ができず、レシピに書いてある食材や調味料が無いとわかった瞬間、目の前が真っ黒になってしまっていました。スーパーに走って買いにいくか、このまま諦めてとりあえず乾麺でも茹でるか、逡巡したり。こんなときに限って、一部の食材を切り始めていたりして、キッチンで一人大きなため息をついていました。

しかし、料理をしている人ならわかってもらえると思いますが、毎日料理を続けていると、少しづつ応用がきくようになってきて、一つや二つ食材や調味料が無くても、なんとかなることが増えていくもの。

このブログでは、何回かに分けて、この「応用がきく」「なんとかなる」という感覚を、少しだけ言語化・一般化してみることで、料理初心者でもある程度は応用がきくようになり、そして料理が楽しくなるように、考え方を整理してみようと思います。

初回はまず『調味料』を取り上げてみようと思います。なぜなら、調味料がなんとかなれば、だいたいの料理はなんとかなってしまうものだから。

※ ここに整理する考え方は、あくまで私のこれまでの経験に基づいた考え方、つまり我流であることにご理解ください。

 

5つの味覚について

人間の味覚をわけると、①甘味、②塩味、③酸味、④苦味、⑤旨味の5種類とされています。

※ 辛味、渋味、えぐ味などは味覚に分類されないそうです。特に辛味は味覚の一つのようにも感じますが、痛みなどと同じような刺激として、痛覚や温度覚で感じ取る味なので、味覚とは別のものとされています。

舌など口のなかには味蕾(ミライ)という味の受容体があり、ここで上記した5つの味覚が感知されます。

 

調味料を、味覚ごとに分類してみる

ざっくりと、味覚ごとに調味料を分類したのが以下の表です。

※ 今回は、調味料と同じような考え方で使うことのできる、油系も表に加えてみました。

f:id:kotaro7247:20201101150929p:plain

この表を見ると、「味噌や醤油は『塩味』に分類されているけど、『旨味』の成分もたくさん含まれているんじゃないの?」などのコメントもあるかと思います。その指摘は大変正しいのですが、この表はあくまで「味覚の観点から調味料の『互換性』を考え料理を行う」という観点に基づいて作成しています。

では、少しずつ解説を進めていこうと思います。

 

調味料の”互換性”と表の使い方

「表の中で横に並んでいる調味料は『互換性』がある」というのが、この表を見るときの重要なポイントになります。

例えば、『塩味』の項目を見てみると、左から味噌、醤油、醤油麹(こうじ)、塩、塩麹と並んでいます。つまりこれは、塩の代わりに醤油や味噌、醤油麹や塩麹が使えるという意味です。

さらに、「塩の代わりに使用できる」ことに加え、「混ぜることも可能」です。つまり、同程度の『塩味』を獲得するためには、塩だけを加えてもいいし、醤油だけを加えてもいいし、塩と醤油両方を使っても良いわけです。

別の言い方をすると、「『塩味』に分類された調味料を混ぜ合わせ、出来上がった料理の塩分濃度を、濃すぎず、薄すぎないところに導いていく」と、自然と美味しい料理になります。 

他の味覚も考え方は基本同じです。『甘味』で考えると、砂糖とみりんは互換性があるため、砂糖だけで作っても良いですし、みりんで作っても良いですし、砂糖とみりんを混ぜても大丈夫です。ただ、混ぜる場合には、砂糖とみりんの合計値で目標とする糖度(甘味)を達成する必要があります。

 

調味料の”相性”と表の使い方

もちろん「互換性がある」と言っても、別の調味料ではあるので、まったく同じ味にはなりませんし、調味料同士で相性があります。

この相性をなんとなく示したのが、調味料の縦の並びです。縦にならんだ調味料の組み合わせ、またはこれらと『ノーマル』と書かれた列の調味料を組み合わせると、比較的失敗無く料理を作ることができます。

具体的には、『和食』の列の上から、ごま油、みりん、醤油、酢、日本酒を使うと、なんとなく和食の味になります。

 

【和食系の調味料の組み合わせ】

f:id:kotaro7247:20201101151612p:plain

 

そして、これらの調味料は『ノーマル』と書いてある列の調味料に代用可能です。例えば、ごま油をサラダ油に代えたり、みりんを砂糖に代えることが可能です。

 

【互換性を考慮した和食系調味料の組み合わせ】

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『特殊』と書いてある列は、「〇〇味」という特殊な名前が付く料理になります。一番わかりやすいのは「味噌味」ではないでしょうか。この場合、味噌にはたくさん塩分が含まれているので、必要な塩分濃度の範囲まで味噌だけを加えて料理を作ることもできますし、醤油や塩と併用することも可能です。

 

最後に

『旨味』については、本来はダシについて記載しないといけないのですが、今回はわかりやすく酒類を記載しています。ダシについてはまた別の機会で触れられたらと思います。

また、今回「塩分濃度」や「糖度」の話しが出てきました。ここを理解し使いこなせるようになると、少しだけ科学的な視点を取り入れることができ、失敗の少ない料理が作れるようになります。科学的な視点と言うと難しく感じる方もいるかと思いますが、一度理解してしまえば本当に単純で簡単な考え方です。

次回は今回紹介した調味料の表の発展版として、特に『塩分濃度』とその考え方について書きたいと思います。

 

つづく

 

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流しの下、キッチンで最も開けやすい引き出しを開くと、備え付けの包丁立てが取り付けられている。プラスチックの箱に、切れ込みが入っただけの簡単な構造なのだが、その切れ込みから包丁の黒い柄(え)が飛び出しており、私はその一つに右手を伸ばして引き抜いた。

 

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 プラスチックの柄に、銀色の刀身が鈍く光っている。この包丁こそ、今回私が紹介する刃渡り約18cmの三徳包丁である。

 

まず、柄はプラスチック製であるが、左右非対称で握り心地が良い。すこし細身に感じるが、太くあるべきところはしっかりと太くなっているので手に馴染む。

刃も薄めで、プラスチックの柄ということもありかなり軽く感じる。軽い分、かなり気楽に料理ができる気がする。パッと取り出して、さっと切って、さっと仕上げるようなイメージ。重たい包丁も使いやすいが、すこし気持ちが入るようなイメージがあるのに対して、この包丁は気楽な印象がある。

 

そのまま刀身に視線を移す。キッチンの明かりが鈍く反射し光っている。材質はステンレス特殊合金鋼で、硬度は57HRCだそう。最近流行りのダマスカス包丁のような装飾はもちろんないが、その刀身の形は洗練されていて、一般的な三徳包丁と牛刀包丁の間のような形状をしている。

 

私がこの包丁を手にしたのは、社会人になって一年目の十二月頃だった。それまでは実家に住んでいたのだが、残業も次第に増え、会社も近くはなかったため、睡眠時間の確保と家事にかかる労力を天秤にかけた結果、独り暮らしを決断したのだった。

 

準備を進め、いざ引っ越しの日。荷物をまとめて父親と車に乗りこもうとしたときだった。母が玄関から出てきて、たくさんのお菓子や乾物、缶詰め、それから細々とした掃除道具など、家のストック品から使えそうなものを詰めた段ボールが渡された。この段ボールなかに、この包丁が真新しいプラスチックの箱に入って乗っていた。

「これ、いいの?」私は真新しい包丁を指さして言った。

「ポイントかなにかでもらったんだけど、使ってないから」

こんな母からの軽い紹介があり、当時新品であったこの包丁が私の元に来たのだった。そのときはこの包丁が、その後の私の食生活を支えることになるなんて、そのときは考えつきもしなかった。

 

同期が安い賃料で会社の寮に住んでいるなか、「会社から一定の通勤時間圏内に実家がある」という理由で(と言っても、片道で約1時間半もかかるのだが)寮に入れなかった私は、同期が支払う寮費の数倍の賃料を払って独り暮らしをする必要があった。

 

新入社員の給料なんて、そんなにたくさんもらえるわけではない。まして、同期や先輩と飲みに行くためのお金も捻出する必要があり、自然となにもない日は自炊するようになった。確かに、中国留学をしていた際に、日本食がどうしても食べたくなって、たまに作ったりはしていたが、本格的に継続して作るようになったのはこの時が初めてであった。

 

いや、最初の頃は料理と言って良いものではなかったかもしれない。一言で言うと、毎日鍋である。冬だったので白菜を一玉買ってきて、好きな具材を入れては煮込む。この過程で食材を切るときの切り方、大きさによって、食感や味の染み込み方に違いが出てくることに気づかされたのを覚えている。こんな発見を与えてくれたのも、この包丁だった。

 

仕事が忙しいと外食をするのだが、一人でお店に入って料理を頼んむ、その料理を待っている時間がなぜか私は受け入れがたい時間で、どうしても疲れていたり、気分転換したいとき以外は、基本的に家で食べるようになった。そのうち、どうしても疲れているときですら弁当を買って帰るようになった。と思ったら、夜中まで開いている弁当屋ですら、頼んでから弁当ができあがるまでを待つ時間がなんとなく耐えられなくなり、家でうどんやそばを茹でるだけとか、そういった簡単な料理で済ませるようになった。

 

なぜ、料理が出てくるまでのあの時間が苦手で、どうして耐えることができないのか、いまだにその明確な理由はわかっていない。誰かと一緒にご飯を食べに行くのはもちろん問題ないのだが、本を読んでいても、音楽を聴いていても、携帯をいじっていても、一人であの空間にいるのが、なぜか私にとって耐えられない空間・時間であった。結果的に家にまっすぐ帰って食事を作ることが多くなった。

 

加えてこの際だから書いてしまうと、一人で居酒屋に行くのが私にはなんだかできない。なんか躊躇してしまう。なんでだろう。一人でふらっと小さな居酒屋に行き、ちょっとした行きつけみたいになって、そこで出会った人たちと仲良くなるような人たちもいて、それはそれできっと楽しいんだと思う。そういう飲み方のできる人たちをちょっと羨ましいとも思う。ただ、私にはなんとなく気が引けてしまう。仕事が終わったあと、ちょっと人に気を使う空間に身を寄せることに、気後れしてしまうのかもしれない。でも、一人で食事が出てくるのを待つのは気後れとか、気を遣うとか関係ないので、ちょっと違うのかもしれない。

 

一人外食を避けるために、家で食べるしかない私は、家に帰るとキッチンに立つ。キッチンには当たり前のようにこの包丁があった。仕事がうまくいったときも、うまくいかなかったときも、私生活でいいことがあったときも、嫌なことがあったときも、この包丁が私を待っていた。そしてこの包丁を手に取って、私は食べ物を切った。切れば切るほど、色々と見えてくる、感じるものがあるから面白い。自分好みの食材の大きさ、自分好みの味付け、煮る時間と食感の違い。少しずつ考えては試し、調べてまた試しいくうちに、小さい子どもが工作や実験にわくわくするような感覚で料理が面白くなった。それは、レストランで一人注文した料理を待っている時間よりも、なにかに対して正面から向き合っているような、そんな有意義な時間のように思えたからかもしれない。

 

つづく

 

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数回にわたって、包丁を選ぶ際のポイントをまとめてみようと始めたこの企画。前回は鋼材について書きましたが、今回は包丁の形と長さについて、特に三徳包丁と牛刀の違いを話したいと思います。
【前回記事】包丁の鋼材(ハガネ/鋼・ステンレス等)について - kotaro7247’s blog

 

牛刀包丁と三徳包丁の歴史的な背景:

もともと日本では、和包丁が使われていました。和包丁の特徴を一言で言うと、『各食材特化型』です。野菜を切るための薄刃包丁、魚をさばくための出刃包丁、そして魚を切り分けるための刺身包丁(柳刃包丁・蛸引包丁)が有名ですが、それ以外にもたくさんの包丁があるようです。

これに対して、三徳包丁や牛刀は、いわゆる万能包丁です。どちらの包丁も基本的なことはなんでもできます。幕末に欧米列強が日本に訪れてから、日本に西洋文化が入ってきますが、この流れの中で欧米でシェフ・ナイフと呼ばれる牛刀が日本に入ってきました(写真下の包丁)。牛刀は一本で何でもできる便利さがあり、これを日本風にアレンジしたのが三徳包丁になります(写真上の包丁)。

 

f:id:kotaro7247:20201018105044j:plain※ 写真上: 愛用の三徳包丁(刃渡り約18.5cm)。
※ 写真下: 愛用の牛刀包丁/シェフ・ナイフ(刃渡り約21cm)。

 

刃幅の違いについて:

刃幅とは、刀身の背から刃がついている広い部分の幅のことです。

結論から言うと、牛刀の刃幅は短めで、三徳包丁の方が広めに作られています。私の使っている三徳包丁は、一般的な三徳包丁より牛刀に近い形をしていますが、それでも牛刀より幅が広いのが上の写真からわかると思います。

厚みのある野菜などを切ろうとするとき、牛刀は刃幅が狭いため、食材を切る際に包丁が完全に食材の中に埋もれてしまいやすいという特徴があります。野菜を切るために作られている薄刃包丁や菜切包丁の刃幅が広いのは、これを防ぐためにあります。普段包丁を使っている方はわかると思うのですが、包丁が食材の中に完全に隠れてしまうと、添えてある左手の第二関節辺りに包丁を常に当てておくことできないため、慎重に切らざるをえなくなってしまう、切るのが遅くなってしまう、というデメリットがあります。

これに対し、三徳包丁は広くつくられているため、厚みのある食材を切る際には牛刀と比べて切りやすく感じます。

 

刃渡り(長さ)の違いについて:

牛刀は刃先から刃の根本までの長さ(刃渡り)が、約20~24cmの物が一般的です(もっと長いのもありますし、短くなるとペティナイフになります)。これに対し三徳包丁は少し短く、18cm前後の物が主流です。

牛刀は三徳包丁と比べて長い分、大きな食材を切るの際はとても楽です。逆に、三徳包丁は大きな食材を切る際には使いにくさを感じるというデメリットがあります。

また牛刀は、その長い刃を生かして柔らかいものを優しく、あるいは薄く切ることが比較的得意です。刃元を食材に当て、長い刃をスライドさせながら削ぐようにして着る、引き切りという切り方です。例えばローストビーフや焼き豚を薄く切る場合や、お刺身を切る際にこの切り方で切るとうまく切れます。

さらにこの長さの違いは、以下で説明する刃の形状の違いからきていると私は考察しています。

 

刃元から刃先にかけた形状の違いについて:

刃元から刃先にかけた形状が違うことが、私個人的にはこの二つの包丁の最も大きな違いだと感じています。

まず牛刀は、刃元から刃先にかけて刃が大きく湾曲しています。したがって、まな板に刃を当てた時に点で触れるようなイメージになります(以下写真上段が牛刀包丁)。

これに対し三徳包丁は、刃元は直線に近く刃先にかけて緩く湾曲していきます。まな板に当てると、刃元はまな板にくっつくイメージです(以下写真下段が三徳包丁)。

 

<牛刀包丁>

f:id:kotaro7247:20201018111044j:plain

<三徳包丁>

f:id:kotaro7247:20201018111109j:plain


実際に使うときに、この違いがどのように現れるかと言うと、例えばキャベツの千切りをする際に、三徳包丁で切る場合は刃元で切ればきれいに千切りができます。これに対し、上から押し付けるような切り方で牛刀を使うと、まな板と当たる部分が点になっているため、まな板に近いキャベツの葉は綺麗に切れずつながってしまうのです。よって牛刀を使う場合は、前または後ろに、少しスライドさせながら切る必要があります。

これだけを聞くと「牛刀は使いにくいのでは?」と感じるかもしれませんが、もちろん三徳包丁も刃先は湾曲しているので、大きな食材を切る場合にはスライドさせなければいけません。スライドさせること考えると、牛刀包丁は三徳包丁より長く作られているため、使いやすくなります。

 

日本のキッチン事情から考えないといけないこと:

日本の家はどうしても狭いので、まな板も大きなものを置けません。まな板の前後の長さ以上に長い包丁では、せっかくの長い刃も使いきれませんし、また取り回しがどうしても邪魔になるのでおすすめできません。

私の家のまな板は前後の長さが約24cmでしたので、24cmの牛刀は使いづらくなってしまうと考え、21cmのものを使っています。

三徳包丁の長さが18cm前後になっていて、かつ前または後にスライドさせながら切らなくても良いように作られているのは、日本の狭いキッチン事業があるからかもしれません。

 

結論:

特徴をまとめると以下の通りと考えます。

大きなものを切るのが得意な牛刀包丁と、厚みのあるものを切るのが得意な三徳包丁

長い刃の長さを生かして薄く優しく切ることが得意な牛刀と、上から押し付けるようにも切れ狭いところで取り回しが便利な三徳包丁

基本的には、どちらを買っても万能包丁としての役名を全うできる使いやすい包丁です。どちらの形状にも、長年培われてきた歴史や知恵が詰まっていると思います。

私は「将来もう少し広いキッチンで料理したいなぁ」なんて、叶うかどうかもわからない夢を描きつつ、21cmの牛刀にしました。みなさんはどちらの包丁にしますか?

 

つづく

 

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特に包丁は「こだわるべきか、そこそこのモノでいいか」を迷う、キッチン道具の一つだと思います。

なぜなら、友人が遊びに来ても、包丁は絶対に食卓に乗せませんし(乗っていたらそれはもはやホラーですね)、インスタなどのSNSにも、よっぽどのことがない限り載せません。

私自身、色んな種類の包丁を持っていますし、色んな包丁を使ってきました。自身の経験なども踏まえて、包丁を選ぶ際のポイントを数回に分けてまとめていきたいと思います。

 

鋼材:

包丁を選ぶうえで、最も大切な項目の一つに、鋼材(鋼の材質)があります。調べ始めるときりがありませんが、包丁の値段にも大きく影響するポイントの一つです。

大きく分けてA. ハガネ系B. ステンレス系に分けることができ、主に以下のような種類の鋼材があります(記載した以外にも、たくさんあるそうです)。

HRCとは硬度を示し、数値が大きいほど硬い金属です。ただ「硬ければ硬いほど良い素材である」とは必ずしも言い切れないと、個人的には考えています。

A. ハガネ(鋼)系の鋼材:

  • 日本鋼 ※HRC: 58前後
  • 白鋼/白紙 3号 ※HRC: 60前後
  • 白鋼/白紙 2号 ※HRC: 60前後
  • 白鋼/白紙 1号 ※HRC: 61~64
  • 青鋼/青紙 2号 ※HRC: 60前後
  • 青鋼/青紙 1号 ※HRC: 61~64
  • 青鋼スーパー ※HRC: 61~65

B. ステンレス系の鋼材:

  • ステンレス
  • モリブデン鋼/クロムモリブデン鋼(たくさんの種類があります)
  • V金1号<武生特殊鋼材製>
  • V金10号<武生特殊鋼材製>※HRC: 58~62
  • 銀三<日立金属製>※HRC: 59~62
  • AUS10<愛知精鉄製>※HRC: 58~61
  • UX10/スウェーデン鋼 ※HRC: 58~61
  • 粉末ハイス鋼(たくさん種類があります)

 

同じ値段の包丁で比べた場合のそれぞれの特徴は以下の通りです。

A. ハガネ(鋼)の包丁の特徴:

同じ値段の包丁で比べると、一般的にハガネの包丁は、言葉ではうまく表現できませんが、食材に吸い付くような感じで良く切れます。良く研いだハガネの包丁は、本当に感動します。ただ厄介なことに、本当にすぐに錆びます。一瞬でうっすらと錆が浮き、放置したら確実に錆びます。

B. ステンレスの包丁の特徴:

同じ値段の包丁で比べると、ステンレス系は取り扱いがすごく楽です。ただ、比較的切れなくなってきた、と感じる周期が短い傾向にあり、研いであげないといけません(研ぎたくなります)。研ぐと切れるようになりますが、頻繁に研ぐことになると思います。

 

結論 - どの鋼材を選べばいいのか:

一般的な家庭で、特に仕事や他の家事などで忙しい方は、絶対にステンレス系がおすすめです。なぜなら、ハガネの包丁は錆びるから。私も一時期ハガネの包丁を使おうと試してみましたが、すぐに錆びてしまうために取り扱いに苦労しました。

料理を作り終わったら、すぐに食卓に出して妻と食事を楽しみたいのですが、ハガネの包丁は使い終わったあとすぐに洗って布巾で拭かないと、錆びてしまいます。

また、ちょっと錆びてしまったときには、その部分を研いであげる必要があり、貴重な時間が奪われます(結果的に、マメに研がないと切れ味が悪くなりがちなステンレスの包丁と、同じぐらいの頻度で研いでいたような気がします)。

もちろん、ハガネの包丁を研ぐ際に感じる精神が統一されるような感覚や、よく切れるハガネの高級包丁を使ったときの何とも言えないあの快感は、ステンレスの包丁には取って変えることのできない浪漫があります。

なので、もし興味がある方はぜひ使ってみてほしいのですが、ただでさえ忙しいビジネスマンには、ハードルが高かったです。

ハガネの包丁を使ってみたいと思っている方は、高い包丁を思い切って買う前に、ぜひ比較的お値段の安めのハガネの包丁を一度買ってみて頂き、自分の生活スタイルにマッチするか試してみることをお勧めします(もちろん、ある程度高くないとあの感動は味わえないのですが)。

私は、取り扱いの簡単なステンレス系鋼材の包丁を使っています。メインで使っている東京・杉本の包丁も、クロム・モリブデン特殊合金鋼のものです。他の包丁についても、おいおい紹介していこうと思います。

 

つづく

 

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