kotaro7247’s blog

妻を笑顔にするための、多忙なビジネスマンの手料理日記

上海留学:冬の寒さと人の温かさを感じたケバブ屋パーティ

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今年の上海の天気は例年と違うようで、ある日突然寒くなった。
まるで秋を追い越して冬が来たかのよう。
日本から冬ものを送ってもらおうと考えていたのだが、それには間に合わず、こっちでダウンのジャケット一着を買うことにした。
それにしても本当に寒い。
日本の寒さとは少し種類が違う。
ずっしり染みるような寒さとでも言おうか、住めば分かるんだけどなぁ、としか言いようがない、そういった別の寒さここにはある。

外の寒さとはうってかわって、友達の輪の広がりとともに心の温かさを感じることが多くなった。
中国語が話せるようになるにつれて、自然と中国人の友達も増えてくる。
先週学校の近くに新しいケバブのお店ができた。
勉強がひと段落したあと、友達とそのケバブを試してみようということになり行ってみると、もうすでに閉店間際であった。
ケバブを頼んで店の中で待っていると、そこに座っていた中国人の兄ちゃんが話しかけてきた。
少し訛りのある中国語と決して流暢ではない中国語での会話。
けどそこには暖かい空気があり、笑顔があり、そうやって話しているとそのケバブ屋の店員やらその友達やらが次々と集まってきてどんどん会話が広がっていく。
今日がちょうど開店一週間目だったらしく、
ケバブが食べ終わる頃には机の上に魚の煮物やら沢庵やら野菜やらがどんどん並べられていた。

「もし特別用事がないなら、一緒に飯を食べていかないか?」

これまた若い気さくな店長の一言でお邪魔することになった。

店長は21歳、一歳年下ではあるが、16歳のとき安徽省黄山にある実家から上海に働きにきているそうだ。
誰も知り合いがいない、誰も頼る人のいない中で、一月300元から働き始めたと語った。
それから5年の間、何度も外国人を騙して高い値段で品物を買わせたりもしたらしい。
生活するために仕方がなかったと彼は謝った。
けど今では母を故郷から呼び、小学校のときからの老朋友(古くからの友達)と店を開いている。

彼の顔は自信でいっぱいであった。
同世代でこれだけの力強い顔をする若者が今の日本にいるだろうか。
その日は酒も入り、立場、環境、思い、国、何もかもが違い普通なら出会わなかっただろう同世代の若者達が同じように顔を赤くさせて杯を交わした。
足先は冷え切っていた。けれど、その日はとっても温かい日だった。

P.S. 上海では万博にむけていたるところで工事をしていますが、
  その工事に使う足場はすべて、自然から切り倒された竹によってできています。
  めっちゃ恐そう・・・。