包丁の選び方:鋼材から考える(ハガネ/鋼・ステンレス等)
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妻を笑顔にするための、多忙なビジネスマンの手料理日記。
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特に包丁は「こだわるべきか、そこそこのモノでいいか」を迷う、キッチン道具の一つだと思います。
なぜなら、友人が遊びに来ても、包丁は絶対に食卓に乗せませんし(乗っていたらそれはもはやホラーですね)、インスタなどのSNSにも、よっぽどのことがない限り載せません。
私自身、色んな種類の包丁を持っていますし、色んな包丁を使ってきました。自身の経験なども踏まえて、包丁を選ぶ際のポイントを数回に分けてまとめていきたいと思います。
鋼材:
包丁を選ぶうえで、最も大切な項目の一つに、鋼材(鋼の材質)があります。調べ始めるときりがありませんが、包丁の値段にも大きく影響するポイントの一つです。
大きく分けてA. ハガネ系とB. ステンレス系に分けることができ、主に以下のような種類の鋼材があります(記載した以外にも、たくさんあるそうです)。
※ HRCとは硬度を示し、数値が大きいほど硬い金属です。ただ「硬ければ硬いほど良い素材である」とは必ずしも言い切れないと、個人的には考えています。
A. ハガネ(鋼)系の鋼材:
- 日本鋼 ※HRC: 58前後
- 白鋼/白紙 3号 ※HRC: 60前後
- 白鋼/白紙 2号 ※HRC: 60前後
- 白鋼/白紙 1号 ※HRC: 61~64
- 青鋼/青紙 2号 ※HRC: 60前後
- 青鋼/青紙 1号 ※HRC: 61~64
- 青鋼スーパー ※HRC: 61~65
B. ステンレス系の鋼材:
- ステンレス
- モリブデン鋼/クロムモリブデン鋼(たくさんの種類があります)
- V金1号<武生特殊鋼材製>
- V金10号<武生特殊鋼材製>※HRC: 58~62
- 銀三<日立金属製>※HRC: 59~62
- AUS10<愛知精鉄製>※HRC: 58~61
- UX10/スウェーデン鋼 ※HRC: 58~61
- 粉末ハイス鋼(たくさん種類があります)
同じ値段の包丁で比べた場合のそれぞれの特徴は以下の通りです。
A. ハガネ(鋼)の包丁の特徴:
同じ値段の包丁で比べると、一般的にハガネの包丁は、言葉ではうまく表現できませんが、食材に吸い付くような感じで良く切れます。良く研いだハガネの包丁は、本当に感動します。ただ厄介なことに、本当にすぐに錆びます。一瞬でうっすらと錆が浮き、放置したら確実に錆びます。
B. ステンレスの包丁の特徴:
同じ値段の包丁で比べると、ステンレス系は取り扱いがすごく楽です。ただ、比較的切れなくなってきた、と感じる周期が短い傾向にあり、研いであげないといけません(研ぎたくなります)。研ぐと切れるようになりますが、頻繁に研ぐことになると思います。
結論 - どの鋼材を選べばいいのか:
一般的な家庭で、特に仕事や他の家事などで忙しい方は、絶対にステンレス系がおすすめです。なぜなら、ハガネの包丁は錆びるから。私も一時期ハガネの包丁を使おうと試してみましたが、すぐに錆びてしまうために取り扱いに苦労しました。
料理を作り終わったら、すぐに食卓に出して妻と食事を楽しみたいのですが、ハガネの包丁は使い終わったあとすぐに洗って布巾で拭かないと、錆びてしまいます。
また、ちょっと錆びてしまったときには、その部分を研いであげる必要があり、貴重な時間が奪われます(結果的に、マメに研がないと切れ味が悪くなりがちなステンレスの包丁と、同じぐらいの頻度で研いでいたような気がします)。
もちろん、ハガネの包丁を研ぐ際に感じる精神が統一されるような感覚や、よく切れるハガネの高級包丁を使ったときの何とも言えないあの快感は、ステンレスの包丁には取って変えることのできない浪漫があります。
なので、もし興味がある方はぜひ使ってみてほしいのですが、ただでさえ忙しいビジネスマンには、ハードルが高かったです。
ハガネの包丁を使ってみたいと思っている方は、高い包丁を思い切って買う前に、ぜひ比較的お値段の安めのハガネの包丁を一度買ってみて頂き、自分の生活スタイルにマッチするか試してみることをお勧めします(もちろん、ある程度高くないとあの感動は味わえないのですが)。
私は、取り扱いの簡単なステンレス系鋼材の包丁を使っています。メインで使っている東京・杉本の包丁も、クロム・モリブデン特殊合金鋼のものです。他の包丁についても、おいおい紹介していこうと思います。
つづく
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